動悸
動悸の原因
動悸とは、心臓のドキドキする感覚を自覚する状態です。健康な時でも、運動後や緊張した時に動悸を感じることがありますが、多くの場合、数分で落ち着きます。しかし、安静時や夜間に動悸を感じる場合、または動悸に伴って息切れや胸の痛み、めまいなどの症状がある場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。
動悸の原因
動悸の原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の3つに分類できます。
1. 心臓の病気
心臓の病気が原因で動悸が起こることがあります。代表的な病気としては、以下のようなものがあります。
- 不整脈・・心臓の拍動リズムが乱れる病気です。脈が速くなる頻脈、遅くなる徐脈、脈が飛ぶ期外収縮などがあります。
- 心不全・・心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。
- 弁膜症・・心臓の弁が正常に機能しなくなる病気です。弁が狭くなる狭窄症、弁が閉まらなくなる閉鎖不全症などがあります。
- 狭心症・心筋梗塞・・心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり、詰まったりする病気です。
2. 心臓以外の病気
心臓以外の病気が原因で動悸が起こることもあります。代表的な病気としては、以下のようなものがあります。
- 甲状腺機能亢進症・・甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
- 貧血・・血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する病気です。
- 低血糖・・血液中のブドウ糖が不足する状態です。
- 発熱・・体温が異常に上昇した状態です。
- 脱水症・・体内の水分が不足した状態です。
- 呼吸器疾患・・喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などが原因で動悸が起こることがあります。
3. その他の原因
病気以外にも、動悸を引き起こす原因があります。
- ストレス・・精神的なストレスや不安、緊張などが原因で動悸が起こることがあります。
- カフェイン・アルコール・・カフェインやアルコールを摂取すると、動悸が起こることがあります。
- 薬・・一部の薬には、動悸の副作用があります。
- 妊娠・・妊娠中はホルモンバランスの変化や循環血液量の増加により、動悸が起こりやすくなります。
- 更年期障害・・更年期にはホルモンバランスが乱れ、動悸が起こることがあります。
動悸によって引き起こされる病気
動悸自体は病気ではありませんが、動悸を引き起こす原因となる病気は様々です。ここでは、動悸によって見つかることのある代表的な病気について解説します。
1. 不整脈
不整脈は、脈が速すぎる、遅すぎる、または不規則に脈打つ状態です。動悸として自覚されることが多い不整脈には、心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍などがあります。不整脈の種類によっては、めまいや失神、心不全を引き起こす可能性もあります。
2. 甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、動悸、発汗、体重減少、イライラ感などの症状を引き起こします。放置すると、心房細動などの不整脈や心不全のリスクが高まります。
3. 貧血
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する状態です。動悸、息切れ、倦怠感などの症状を引き起こします。原因としては、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血などがあります。
4. パニック障害
パニック障害は、突然激しい不安や恐怖を感じるパニック発作を繰り返す病気です。パニック発作時には、動悸、息切れ、発汗、震えなどの身体症状を伴うことが多く、動悸をきっかけにパニック発作を自覚することもあります。
動悸の処置や治療法
動悸の処置や治療法は、原因によって異なります。ここでは、一般的な処置と治療法について解説します。
1. 安静にする
動悸を感じたら、まずは安静にすることが大切です。楽な姿勢で座るか横になり、深呼吸を繰り返しましょう。カフェインやアルコールを摂取している場合は、控えるようにしましょう。
2. 医療機関を受診する
安静にしても動悸が改善しない場合や、動悸に伴って息切れや胸の痛み、めまいなどの症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。当院、大杉内科医院では、内科・循環器内科の専門医が診察を行い、必要な検査を行います。
3. 検査
動悸の原因を特定するために、以下のような検査を行うことがあります。
- 心電図検査・・心臓の電気的な活動を記録する検査です。不整脈の有無や種類を調べることができます。
- ホルター心電図検査・・24時間心電図を記録する検査です。普段の生活の中で起こる不整脈を捉えることができます。
- 血液検査・・貧血や甲状腺機能異常の有無を調べます。
- 心臓超音波検査(心エコー)・・心臓の形態や機能を調べる検査です。弁膜症や心不全の診断に役立ちます。
- 胸部X線検査・・心臓や肺の状態を調べる検査です。
4. 治療
検査の結果、病気が見つかった場合は、それぞれの病気に合わせた治療を行います。
- 不整脈の場合・・薬物療法、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込みなどを行います。
- 甲状腺機能亢進症の場合・・薬物療法、放射線療法、手術などを行います。
- 貧血の場合・・鉄剤の投与や、原因となる病気の治療を行います。
- パニック障害の場合・・薬物療法、認知行動療法などを行います。
動悸についてのよくある質問
Q1. 動悸がする時、病院に行くべきかどうかの判断基準は?
A1. 動悸が頻繁に起こる場合、または動悸に伴って胸の痛み、息切れ、めまい、失神などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。特に、心臓病の既往歴がある方や、家族に心臓病の方がいる場合は、注意が必要です。
Q2. 普段の生活で動悸を予防するためにできることは?
A2. バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を持つことも大切です。カフェインやアルコールの過剰摂取は避けましょう。禁煙も重要です。
Q3. 動悸の原因がストレスの場合、どのように対処すれば良いですか?
A3. ストレスの原因を特定し、可能な限り取り除くようにしましょう。十分な休息や睡眠を取り、リラックスできる時間を持つことが大切です。趣味や運動などで気分転換を図るのも良いでしょう。必要であれば、カウンセリングを受けることも検討しましょう。
当院の循環器内科診療について
大杉内科医院では、動悸の原因を特定し、適切な治療を行うために、様々な検査機器を備えています。心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査(心エコー)などを用いて、詳しく心臓の状態を調べます。また、呼吸器内科の専門医も在籍しており、呼吸器疾患が原因で起こる動悸にも対応できます。患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた、きめ細かい診療を心がけています。
当院では、患者さんの不安を取り除くために、丁寧な説明を心がけています。検査結果や治療方針について、わかりやすく説明し、患者さんが納得した上で治療を受けていただけるように努めています。動悸でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。●●駅からもアクセスしやすい場所に位置しており、地域のかかりつけ医として、皆様の健康をサポートいたします。
院長より
動悸は、誰でも経験する可能性のある症状ですが、放置すると重篤な病気につながることもあります。「たかが動悸」と軽く考えずに、気になる症状があれば、早めに受診することが大切です。当院では、患者さんの話をじっくりと聞き、丁寧な診察を行うことを心がけています。動悸の原因を特定し、適切な治療を行うことで、患者さんの生活の質を高めるお手伝いをしたいと考えています。
呼吸器内科専門医として、呼吸と循環は密接に関わっていることを日々実感しています。動悸の原因が呼吸器疾患であることも少なくありません。当院では、呼吸器内科と循環器内科が連携し、総合的な診療を提供することで、患者さんの健康をサポートいたします。どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
