胸焼けや呑酸（どんさん）といった症状でお困りではありませんか？それは逆流性食道炎かもしれません。逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで炎症を起こし、不快な症状を引き起こす病気です。

当院では、内科、呼吸器内科、循環器内科の専門医が連携し、患者さま一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけています。

咳が長引く、胸の不快感が続くなど、気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

逆流性食道炎の症状について

逆流性食道炎の主な症状は、以下の通りです。

• 胸焼け・・みぞおちから胸にかけて、焼けるような感覚
• 呑酸・・酸っぱい液体が口まで上がってくる
• げっぷ・・胃の中の空気が上がってくる
• 胸の痛み・・締め付けられるような、あるいは刺すような痛み
• 咳・・特に夜間や横になった時にひどくなる
• 声がれ・・声がかすれる
• のどの違和感・・のどに何か詰まっているような感じ

これらの症状は、食後や夜間に悪化することがあります。また、人によっては、慢性的な咳や喘息のような症状が現れることもあります。

逆流性食道炎の原因について

逆流性食道炎の主な原因は、食道と胃のつなぎ目にある「下部食道括約筋」の機能低下です。この筋肉が緩むと、胃酸が食道に逆流しやすくなります。

下部食道括約筋の機能低下を引き起こす要因としては、以下のようなものが挙げられます。

• 食生活・・脂肪分の多い食事、甘いもの、カフェイン、アルコールなどの過剰摂取
• 生活習慣・・喫煙、肥満、猫背などの姿勢
• 薬・・一部の薬（鎮痛剤、抗うつ薬など）
• 病気・・食道裂孔ヘルニアなど
• 加齢

また、ストレスや睡眠不足も、胃酸の分泌を促進し、逆流性食道炎を悪化させる可能性があります。

逆流性食道炎の病気の種類について

逆流性食道炎には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

• びらん性食道炎・・内視鏡検査で食道に炎症やびらん（ただれ）が確認できるもの
• 非びらん性食道炎（NERD）・・内視鏡検査で異常が見られないものの、逆流性食道炎の症状があるもの

非びらん性食道炎は、びらん性食道炎よりも症状が軽いことが多いですが、QOL（生活の質）を大きく低下させることもあります。

逆流性食道炎の治療法について

逆流性食道炎の治療は、症状の緩和と食道の炎症の改善を目的として行われます。主な治療法は、以下の通りです。

1. 生活習慣の改善

• 食生活の見直し・・脂肪分の多い食事、甘いもの、カフェイン、アルコールを控える。
• 食事のタイミング・・寝る2～3時間前には食事を済ませる。
• 姿勢の改善・・猫背にならないように、正しい姿勢を心がける。
• 禁煙・・タバコは下部食道括約筋の機能を低下させるため、禁煙する。
• 減量・・肥満は腹圧を上げ、胃酸の逆流を助長するため、減量する。
• 就寝時の工夫・・上半身を少し高くして寝る。

2. 薬物療法

症状に応じて、以下の薬が用いられます。

• プロトンポンプ阻害薬（PPI）・・胃酸の分泌を強力に抑える薬。
• H2ブロッカー・・胃酸の分泌を抑える薬。PPIよりも効果は穏やか。
• 粘膜保護薬・・食道の粘膜を保護する薬。
• 制酸薬・・胃酸を中和する薬。症状を一時的に緩和する。
• 消化管運動機能改善薬・・胃の運動を活発にし、胃酸の逆流を防ぐ薬。

これらの薬は、症状や体質に合わせて、医師が適切なものを選択します。

院長より

「もしかして逆流性食道炎かな？」と思ったら、我慢せずに早めに当院へご相談ください。

当院では、呼吸器内科の専門医として、咳やのどの違和感といった呼吸器症状にも着目し、逆流性食道炎の診断・治療を行っています。

患者さまのお話をじっくり伺い、内視鏡検査などの必要な検査を行い、症状や原因に合わせた最適な治療法をご提案します。

また、生活習慣の改善についても、管理栄養士が丁寧にアドバイスさせていただきます。

「こんな症状で受診しても良いのかな？」とご不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞお気軽にご来院ください。

地域の皆さまの健康をサポートできるよう、スタッフ一同、親身になって対応させていただきます。